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2014年東京大学前期入試 理系数学 第5問

2014.03.29 16:46|大学入試問題
どもども。



今回は今年の東大前期入試の理系数学第5問です~

問題はこちら~

14t5.jpg


整数問題です~~
最後の(4)がちょっと厄介ですが,
小問4つに分けられてる分,(3)までしっかり出来てればそれなりに得点することは出来るんじゃないでしょうか~

漸化式  によって数列  を定めます~
素数 p に対し, a_n を p で割ったときの余りを b_n と定めるようです~

割り算の余りに関する命題を扱うので,合同式を利用するとやりやすいですよー
新課程になったら合同式が参考書などに取り上げられるようになって,
試験とかでも何食わぬ顔で合同式を使うことが出来やすくなっています~

今回の試験は旧課程で学んだ学生さんが受けたものなので,
答案の冒頭で大雑把に合同式の導入について触れておくといいかもしれません~
必要な性質だけ確認しておきます~ cat_4.gif




e1_20140329162352007.jpg



今回はこの3つをあらかじめ確認しておこうと思います~


e2_20140329162352f36.jpg


準備が出来たので問題を見てみますよ~
ていうかここまで導入をしておく必要があるのなら,
合同式を使わないで解いてしまうほうが早かったりするかもしれませんね christmas.gif




(1)は  を p で割ったときの余り  と
 を pで割ったときの余りが等しいことを確かめる問題です~

合同式を用いていうと  
が成り立つということを確かめる問題ですよ~




 方針1: 合同式を使う

上で挙げた合同式の性質①~③を駆使して実証してみます~
導入は面倒くさかったものの,それさえ済んでしまえばその先は楽チンです~ cutlet.gif


e3_20140329162353ee4.jpg




 方針2:  とおいて計算してみる

a_n を p で割ったときの商を q_n とおいてやれば
a_n=pq_n+b_n という形の表示が一意的に得られます~
合同式なんぞを導入しなくても,この表示式を利用して計算すれば
特に難なく証明ができます~ dog_shy.gif

p の倍数のかたまりを作り出すというのがポイントです~



e4_20140329162353c95.jpg



次のような変形で導いても大丈夫ですよ~


e5_20140329162354f5b.jpg



(2)に進みます~

(2)では p=17, r=2 という具体的な状況における考察です~
こういう設問が用意される意図は,大抵の場合,
後に待ち構える問題を解く上でのヒントになっているものです~ eto_hitsuji.gif

数列 {a_n} が結構な勢いの単調増大列になっているため,
具体的な a_9, a_10 などの値を求めて17で割った余りを計算するのはひどく困難です

大体 n=4 とか n=5 あたりで 「・・・おや!?」
と思う気がするのですが, {b_n} が 2,3,9,2,3,9,2,3,9,・・・・ となっていて
どうやら周期3の周期数列になっているようですよ~ drink_hottea.gif

この周期性を利用するか,
合同式の性質を使って簡潔に計算するか,
(1)の結果を使って簡潔に計算するか,
そういった手段によっ答えを出すというのが妥当です~


e6_20140329162354d09.jpg
e7_20140329162552ca3.jpg




律儀に周期性を証明しようと思ったら,数学的帰納法を用いて
 が成り立つことを述べるのが良いと思います~
3項間漸化式で {a_n} が定義されているので,
n=k,k+1 の場合を仮定して n=k+2 の場合を検証するタイプの帰納法を用いると良さげです~ drink_juice.gif



e12_20140329162555f69.jpg




(3) に進みます~
 が成り立つならば  
も成り立つことを確かめる問題ですよ~



b_n の配列の中で,隣り合う2項の値の組合わせが共通している部分があれば
その手前の項も値が共通しているという主張です~
 という仮定が付随しています。恐らくこれがないと都合が悪いのでしょう~
さらにいうと, p で割った余りなので  が成り立っていることが言えます~ eto_ne.gif

まずは合同式を使ってやってみます~
(1)の結果にこの設問の仮定を織り交ぜて変形してみたいと思います~

e8_201403291625536e0.jpg

e9_2014032916255372e.jpg



大体同じ内容を合同式なしで述べるとこんな感じです~~ gp05.gif



e10_201403291625543ee.jpg
e11_20140329162554aab.jpg




この(3)を利用して(4)を解きます~
数列 {a_n} において, n≧2 ならば a_n は p の倍数ではないと仮定すれば
初項 a_1 も p の倍数ではないことを確かめる問題です~

(3)を利用するためには,(3)の命題の仮定を満たすことが必要ですね。
 を満たす m,n が無いといけません

1≦m<n と仮定しましょう~ a_m が p の倍数ではないという設定から
 は満たされています。

問題は  の方です~

これを満たす m と n を具体的にコレとコレ!!
と見つけ出すのは難しいです。
しかし,どこにあるかは分かんないけど確実に何処かにはあるよ!
というだけだったら鳩ノ巣原理(部屋割り論法,ディリクレの箱入れ原理)を使えば簡単に説明できてしまいます~ kaeru_en2.gif

鳩ノ巣原理はしばしば入試問題においても解法の重要ポイントとして用いられることが多いですが
定理として教科書に載ってるようなものでもないので馴染みの薄い人は結構多いですよねー

 であることから,
 の組として有り得るものは高々 (p-1)^2 通りであるということに着目します~ kasabake.gif

有限個の種類しか存在しないということは,無限個の組  
の中には必ず  を満たすものが混じっている
ということになります kuma_fly.gif
無限個全てが別々のものになる,ということは出来ないわけですね~~


これでめでたく(3)の結果が利用できます~
つまり上の条件を満たすように m と n を選んでくると b_m=b_n も成り立ってるわけですね。
このとき,次のことに気が付かなければいけません。
今度は  が成り立っていることが確認されてしまったのです~
この状態で更に b_m>0 であったら次は  が得られてしまうのです~ ladybug.gif

b_{m-1}>0 なら今度は  が出てきて,以下帰納的に同じことを繰り返して
どんどん遡っていけるのです~
遡っていくうちにやがて初項 b_1 に辿り着きますね。
そのとき b_1>0 が成り立ちますよ~という結論を得ることができます~


e13_20140329162615c84.jpg


  e14_20140329162616c92.jpg




なかなか手強い問題でしたね~~~
最後の(4)の解法の議論と(1)の結果などを合わせ見ると数列 {b_n} の
周期性を述べることも出来そうですね~~

そんじゃぁ,まぁそれでは今回はここまで~~~ kudan.gif







             e15_201403291636201bc.jpg







  
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2014年東京大学前期入試 理系数学 第4問 その3

2014.03.23 11:38|大学入試問題
どもども。


今回は前回の続きです~~




よく分からん関数の考察をする第4問ですが今回は(3)をやりますよ~


(3)では q>p の場合を考えます~

f(c)=c, 0<c<1 を満たす実数 c が存在することをいう問題です~
つまり y=f(x) のグラフと直線 y=x が
0<x<1 の範囲で交点を持つということですね~~



d9_20140321202509cbb.jpg


この状況は, 関数 g(x)=f(x)-x に関して, y=g(x) のグラフが
0<x<1 の範囲で x 軸と交わる
ことに言い換えても構いません~ benibara.gif

そしてそのことを確認するには中間値の定理を使うのが見通しが良さそうです~ body_run.gif

g(1)=-p<0 であることはすぐ確認できるので,
g(α)>0, 0<α<1 となる α を見つけることが出来れば
中間値の定理より g(c)=0, 0<α<c<1 を満たす c の存在がいえます~

この α にあたるものをどうやって見付けるか,
というのが今回のポイントになってきそうです~



 方針1: 0<x<1 における g(x) の極大値が正であることに着目する

0≦x≦1 においては  が成り立つので,  は単調減少です~
 および  であることがすぐ分かるので,
中間値の定理から  を満たす λ が1つ存在します~ car2_tank.gif

このことから g(x) は x=λ において極大値を取ります~
この極大値について g(λ)>g(0)=0 が成り立つので
これで g(x) に中間値の定理を適用する準備が整います~


d26_20140322212359cb9.jpg




 方針2:  なので x=0 の十分近くでは  が単調増加であることに着目する

 なので  の連続性より,
ε>0 を十分小さく取ると 0≦x≦ε において常に  が成り立ちます~ dog_happy.gif

このとき 0≦x≦ε において g(x) は単調に増加するので
g(ε)>g(0)=0 が成り立ちます~

これで g(x) に中間値の定理を適用する準備が整います~




d11_201403212025115ae.jpg




 方針3:  を利用して g(x)>0 となるための x の十分条件を見付ける

問題文で与えてくれてる不等式  を利用してみます~

 と表せて,
これが成り立つ x=α を1個見つけたいわけですよね。
一方で  を評価して  の形の不等式が得られるので,
h(x)>1-x が成り立つような x=α が見つかれば十分だということになります。

そしてそのような x=α を見付けるのは割と容易なのです~ dolphin.gif





d12_201403212025116d9.jpg

d13_201403212025396e9.jpg








これで(1)~(3)まで全部解き終えましたね~

ところで,(2)では p>q の場合を,(3)では q>p の場合を考えましたが
p=q の場合はどうなっているのでしょうか

ちょうど p>q と q>p の境界の場合になるので
(2)と同じように数列 {x_n} を考えるとその極限は0です。
また,直線 y=x が y=f(x)のグラフの x=0 における接線になっています。

x_n→0 であることを確かめてみましょう~

(2)で考えた r=1-p+q は p=q より r=1 になってしまうので
0<r<1 を満たさななくなります。
挟み撃ちの原理を使うには具合が悪くなってしまいますね。

というわけで p=q の場合の考察は何気になかなか大変なのかもしれませんね。
大学1年生レベルの数学の議論でならスッキリ解決できますが
直感に頼る高校数学範囲ではなんだか気持ち悪さが残る説明になってしまいます。

0<x_n≦y_n かつ y_n→0 となる数列 {y_n} を見付けて
挟み撃ちという方針は(2)と大体一緒です。
 を使って  が成り立つことに着目して
 によって数列 {y_n} を定義します。
このとき,各 n に対して  が成り立つことを確かめることが出来ます~ drink_hottea.gif


d27_20140322212400bf1.jpg

d28_20140322212400e97.jpg



y_n→0 を確かめて挟み撃ちの原理を使いたいと思います~

 に関する漸化式から  が得られるので
 が確かめられると 
が確かめられたことになるので,これを使って y_n→0 を導きたいと思います~ eto_ushi.gif





d17_2014032120254222a.jpg



図からも分かると思いますが,
 になりそうなので
この点に着目して  を導いてみます~

 の下限が0でなければ矛盾が生じるという理由で
下限が0であることを確かめ,それと  の単調減少性から
極限が0であることをいいます~

d16_2014032120254171d.jpg
d18_20140321202542c2f.jpg

d19_20140321202643bdf.jpg
d20_201403212026435fd.jpg


   d21_20140321202644624.jpg



終盤の議論はだいぶεδ的な発想を無理矢理高校数学風に直してるような
感じがありますが,一応何とか極限が得られました~ isona.gif













           d22_201403212026455e7.jpg










   

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2014年東京大学前期入試 理系数学 第4問 その2

2014.03.22 00:07|大学入試問題
どもども。


今回は前回の続きです~~




なんだかよく分からない関数に関する考察の問題でしたね~
前回は(1)についてやったので,今回は(2)からやっていきます~ kinoko05.gif


0<x_0<1 を満たす定数 x_0 をとって,数列 {x_n} を
 によって定義するようです~

p>q のときは  が成り立つぞ~ kirakira(1).gif
ってことを確かめるのが(2)の設問です。


何が起きてるかというと, 0<x<1 において
y=f(x) のグラフが直線 y=x よりも下側にあるので
下図のように x_n がどんどん0に近付いていくという状況なんですね kitune.gif



d8_201403212025082fa.jpg


3つくらいアプローチの方法を挙げてみようと思うのですが,
全てに共通する下準備として,任意の非負整数 n に対して 0<x_n<1 であることを
確かめておきましょう~ nakioni.gif
数学的帰納法を用います~

d1_201403212024310c4.jpg



それでは具体的にどうやって x_n の極限を求めていくかを考えていきます~


 方針1:  を  に置き換えて  を求める

問題文の方で 「任意の実数 x に対して  が成り立つ」 ことを
利用していいですよ~ というヒントがあります~
これの使い所がなかなか難しかったかと思いますが,ついに出番です~

 を使って f(x) を上から評価できます。
これを使って, 0<x_n<(r^n)x_0 (0<r<1) の形の評価式を得たいと思います~

漸化式を解いて数列 {x_n} の一般項を明快な形で表示することが難しいため
上の評価式を用いて挟み撃ちの原理を使うというのが分かりやすい打開策です~

この評価式を得るにはまず  であることを導きます~
粗い評価  を得てしまうと,数列 {x_n} の単調減少性は導けるものの
0への収束性までは辿り着けません。
1未満の正数 r という係数が付いていることが重要なんですね~ kiraneko.gif
うまくそういう r を付けた形で評価式を得ないといけません~

d2_20140321202432e3e.jpg



 の部分は次のようにしても大丈夫です~ ny_kimono_f.gif



d3_20140321202432318.jpg




あとは結論に向けて一直線です~


d4_201403212024334c5.jpg


d5_20140321202434827.jpg




 方針2: 平均値の定理を利用して  を求める

さっきと同じ評価式を  のヒントを使わない方法で導きたいと思います~

(1)で既に  であることと
 が 0≦x≦1 において単調減少することは求めてあることにしましょう(前回求めてあります)。
求めていなかったら第2導関数<0から導いておいてください~

f(0)=0 に着目すると

と書けることが分かります~ takenoko01.gif
このとき,平均値の定理より  
を満たす c_n が各 n に対して取れます~ 
 の単調減少性より  
が成り立つので,目標の評価式が得られるというわけです~ neko05.gif




d24_201403222123584e0.jpg



ここ以降は方針1と同様です~





 方針3: 0<x<1 において f(x)<kx (0<k<1) が成り立つような定数 k を探してみる

0<k<1 を満たすある定数 k に対して,
0<x<1 において f(x)<kx が常に成り立つとしましょう~
そうすると,  が成り立つので方針1,2と同様に挟み撃ちで x_n の極限が導けます~ okojyo01.gif

さて,どのように k を見つけるのかということですが,
F(x)=f(x)-kx とおいて考えます~
0≦x≦1 においては  が成り立つので  は単調減少します~
したがって,  かつ 0<k<1
が成り立つように k の値をうまく選んでやれば,
F(x) も単調減少になり, F(x)<F(0)=0 が得られます~
この結果から 0<x<1 で f(x)<kx が常に成り立つことがいえるというわけです~ tankoro.gif


d25_20140322212359a9f.jpg







次回は(3)をやっていきます~ hiyoko.gif






    

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