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2013年東京工業大学前期入試数学 第2問 

2013.07.02 18:31|大学入試問題
どもども。

今回は今年の前期東工大入試の数学第2問です~




行列の計算問題です~

5乗すると単位行列になるような実行列の行列式とトレースを計算するものですyotuba14.gif
行列式はおなじみでしょうが,
トレースは高校生にはイマイチ浸透は薄いかと思います。
要は対角成分の和です。これはその行列の持つ固有値の和に等しいことが知られています

さて,2つのn×n行列A,Bが与えられたとき,
行列式について, Δ(AB)=Δ(A)Δ(B) が成り立ちます~

n=2 の場合についてコレを証明するのが今回の(1)です。
AとBの成分を適当において,実際に計算して確かめてみると良いと思います~

r1_20130702152020.jpg


トレースの方については t(AB)=t(A)t(B) のような式は一般には成り立ちませんが
t(AB)=t(BA) は成り立つことは確かめることができます。
今回の問題ではあまり役立ちそうではありません。


さて,(2)が本題です。 A^5=E を満たすAについて Δ(A)=x,t(A)=y 
とおくようです。xとyを求める問題です。

仮定より Δ(A^5)=Δ(E)=1 となりますが,
(1)より Δ(A^5)=Δ(AAAAA)=Δ(A)Δ(A)Δ(A)Δ(A)Δ(A)={Δ(A)}^5
が成り立つので, {Δ(A)}^5=1 から簡単にxの値が求められますtaxi02.gif


r2_20130702152020.jpg
r3_20130702152021.jpg

トレースの方はここまであっさりとは値が出てこないようです。
Aの成分を適当に与え,A^5を直接計算してそのトレースを求めるというのは
骨が折れるし,その後の計算も大変になりそうなのでオススメ出来ません。

行列の累乗計算は,ケーリー・ハミルトンの定理を利用して
次数下げや除法を実行して,扱いやすい形に変身させてしまうのが有効ですsuika.gif

まず次数下げ作戦をやってみましょう。
ケーリー・ハミルトンの定理より, A^2-yA+xE=A^2-yA+E=O 
が成り立ちますね。これを A^2=yA-E と変形します。
A^2をどんどん yA-E に置き換えていけばよいわけですMushroom01.gif


r4_20130702152021.jpg


ちなみに除法でやると,次のようになります。
出てくる行列がAの累乗とEだけなので普通の多項式の計算と同様にやれます

r8_20130702152053.jpg



これが単位行列 E に等しいという仮定から,yに関する条件式が得られますよ~dog_shy.gif


r5_20130702152022.jpg

y^4-3y^2+1 の因数分解はちょっと気付きにくいですが
y^3-2y+1=(y^2+y-1)(y-1) の方は気付きやすいので,
y^4-3y^2+1 が y^2+y-1 を因数に持つ可能性は十分疑えると思いますbody_stretch.gif



条件としては y^2+y-1=0 または (y^2-y-1)A=(y-1)E
というものが出てきます。
前者については2次方程式を解くだけです。
後者については,一見するとなんだか複雑そうですが,
要するに A=kE (k:実数) の形になる場合ということです~kawauso.gif
そのような形のAであって, A^5=E を満たすのは 
k=1 の場合に限ることはすぐに分かると思います。

r6_20130702152022.jpg
r7_20130702152052.jpg


なお,y=(-1±√5)/2 を与えるAは,+の方は角度2π/5の回転行列,
-の方は角度4π/5の回転行列です。
しっかり実行列としてAが取れるということは触れておくほうがいいでしょうね



もう1つ別の考え方から攻めてみたいと思います。

今回の A は A^5=E を満たす実行列ということで与えられていましたが,
5次方程式 z^5=1 との関係性からアタックしてみるという手も使えそうです

この方程式の実数解は z=1 のみですが,虚数解も含めれば全部で解は5個あり,
複素数平面上でz=1を1つの頂点とする正五角形上に分布しています。
4つの虚数解は,互いに共役な2個の虚数の組2個に分けられます。

それを踏まえると,
z^5-1 は実数係数の範囲内で以下のように因数分解できることが窺えます~

r9_20130702152053.jpg

ちなみに Re(z) は複素数zの実部を表しています。

Re(a_1),Re(a_2) の値が分かればより具体的に上の因数分解が計算出来ますね。
Re(a_1)=cos(2π/5),Re(a_2)=cos(4π/5) なので,
これを求める方法は色々あると思います(黄金比関係の計算とか)。

今回は z^5-1=(z-1)(z^4+z^3+z^2+z+1) であることに着目してみます。
z^4+z^3+z^2+z+1 を2つの実係数2次多項式の積に直せば良いわけですねrisu.gif


相反方程式 z^4+z^3+z^2+z+1=0 を考えてみます。
相反方程式というのは Ax^4+Bx^3+Cx^2+Bx+A のような,
係数が左右対称になっているような方程式です

両辺を z^2 で割って整理すると z+1/z の2次方程式に直せます。
それを解くことで z+1/z の値が分かるので,
それを利用して因数分解を完成させられます

r10_20130702152054.jpg
 r11_20130702152054.jpg
r12 1

実係数の範囲では,これ以上の因数分解はできません。

このことから, 
z^5-1=(z-1)(z^2-{(-1-√5)/2}z+1)(z^2-{(-1+√5)/2}z+1)
と因数分解されるので,行列に置き換えると
A^5-E=(A-E)(A^2-{(-1-√5)/2}A+E)(A^2-{(-1+√5)/2}A+E)
が得られます~redleaves.gif


うっかりここで, A-E=O または A^2-{(-1±√5)/2}A+E=O
のどちらかである
…という議論をしてしまいがちですが,それは尚早なのです~

一般にn×n行列A,Bについて AB=O が成り立っていたら,
A=O または B=O または Δ(A)=Δ(B)=0 のどれかが成り立ちますrabi_smile.gif
Δ(A)=Δ(B)=0 の場合が忘れられがちですね。

したがって,今回の問題の場合, A^5-E=(A-E)(A^4+A^3+A^2+A+E)=O
なので, (ア)A-E=O (イ)A^4+A^3+A^2+A+E=O の他に
(ウ)Δ(A-E)=Δ(A^4+A^3+A^2+A+E)=0 という計3パターンが生じ得ます~

このうち(イ)は, (イa)A^2-{(-1-√5)/2}A+E=O
(イb)A^2-{(-1+√5)/2}A+E=O
(イc)Δ(A^2-{(-1-√5)/2}A+E)=Δ(A^2-{(-1+√5)/2}A+E)=0

と,更に3つのパターンに分類されますs1_spr_chulip.gif


(イc)と(ウ)のパターンの考察が忘れがちだと思います~
(ア)(イa)(イb)からはそれぞれy=2,(-1-√5)/2,(-1+√5)/2
が出てきますよ~



r17_20130702173202.jpg
r18_20130702173202.jpg
r19_20130702173202.jpg
r20_20130702173203.jpg


結果を言ってしまうと,
特殊パターンである(イc)(ウ)のパターンは実は生じないので
この2つのパターンからは適当に矛盾を導けばOKです~xmas_tonakai.gif


r21_20130702173203.jpg
r22_20130702173204.jpg
r23_20130702173223.jpg
r25_20130702173224.jpg


z^5-1 の因数分解を利用するという着眼点は良かったのですが
(イc)(ウ)パターンなどの面倒かつ見落としやすい部分もあるので
必ずしも良策とはいえなさそうですねxmas_santa.gif


y=(-1-√5)/2 を与えるのは,
A^2-{(-1-√5)/2}A+E=(A-a_2E)(A-a_3E)=O
のときなので, A=a_2E,a_3E のときである
…ん 実行列じゃない
なるほど,実は y=(-1-√5)/2 (と y=(-1+√5)/2)
は A が実行列にならないから不適なんだ~~

という勘違いはしないようにしたいです。
確かに A=a_2E,a_3E のときは実行列じゃないし y=(-1-√5)/2
にもなるのですが, 
Δ(A-a_2E)=Δ(A-a_3E)=0 の可能性も生じ得ることに注意しなくてはいけないのです。
実際,Aが回転角4π/5の回転行列なら y=(-1-√5)/2 かつ
Δ(A-a_2E)=Δ(A-a_3E)=0 が成り立ちます。

回転角π/2の回転行列を I とおくと,これは I^2=-E を満たすので,
虚数単位の行列版みたいなものです。
回転角4π/5の回転行列は cos(4π/5)E+sin(4π/5)I
と書くことができて,ちょうど a_2=cos(4π/5)+i sin(4π/5) 
の行列版に対応しているという面白いことが言えます。










次回は大問3をやっていきます~aicon_bbs19.gif






   
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