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2012年東北大入試(後期)理系数学第5問その1

2012.08.25 19:42|大学入試問題
どもども。


今回は今年の東北大入試(後期)の理系数学第5問です~

問題はこちら箱ドットおにおんmini
m5

1の7乗根に関する問題ですね~tawa02.gif
(4)とかはこれだけ単問で出されると結構悩んでしまうタイプの人が多いかと思われます~
きっと和積・積和公式であーだこーだすることになってしまうのでしょう~
今回は誘導付きですので順調に(3)まで解ければ(4)はさほど困難ではないかもしれませんsyumai.gif

それでは(1)をやっていきます~star02.gif
いわゆるド・モアブルの定理ですね~。それを証明しろという問題です。

ここ何年かの指導要領からは複素数平面は消えていたんですけど
新課程では数学Ⅲの「平面上の曲線と複素数平面」という単元で復活するようですpiman.gif
ド・モアブルの定理もこの単元の内容に含まれているようですよ。

αのn乗を計算します。今回はnが自然数の場合について証明すればOKのようですが,
nが負の整数または0のときも定理が成り立ちます~
ただしnが分数とか無理数とかになってくると話がややこしくなってきますroket.gif
値が1通りに定まらない(多価性)が原因なのですが
(【例】1^(1/2)=(cos0+isin0)^(1/2)=(cos2π+isin2π)^(1/2)=cos0+isin0=cosπ+isinπとはならないですね)
今回はそういうややこしい話にはぶち当たらないので心配は要らないのです~

証明は幾つか考えられそうですが,まずは教科書に載っている標準的な考え方でいってみますrokuro.gif


taxi02.gif素直に数学的帰納法を使うパターン

nに関する命題なので数学的帰納法で証明しましょう~というのが定番の発想かと思いますdokuro.gif
ところでですが,αとβの関係についてみてみると,βはαの共役複素数ですね~
また,絶対値が1なのでαの逆数にもなっています~
具体的に角度が与えられる(2)以降では更に別の表示も可能になります

i1.gif

このため,α^nとβ^nの式,両方を別々に帰納法で証明してもいいですが,
α^nの方だけ証明してβ^nの方はα^nの式を変形して証明するというパターンの方が手間は減りますkusyami02.gif
また,任意のθに対して成り立つ式なのでθを-θに置き換えても構わないにゃ~neko02.gifという発想でもOKです


i2.gif

難しいところがあるとすると,三角関数の加法定理を逆に使うあたりくらいかな?
sin(A+B)=sinAcosB+cosAsinB という変形には慣れていても sinAcosB+cosAsinB=sin(A+B) 
という変形には案外慣れていないかもしれませんね。
よくみると三角関数の合成という見方で対処することも出来そうですにゃkujira.gif



ちなみに,例えばβはαの逆数だから~というのを使うと,最後はこんな感じh-rakuseki.gif


i3.gif


taxi02.gif絶対値1の複素数との積が回転を表すことを利用するパターン

複素数平面の単元が消滅していた昨今,複素数zに絶対値1の複素数α=cosθ+isinθを掛けると
zαは点zを原点中心に角度αだけ回転した点を表す複素数になるという話は,
もはや一般高校生の間では常識ではなくなっていたのかもしれませんpakukapa.gif


i8.gif

その事実はzαを極形式で表すだけですぐ確かめられるので,
指導要領に無いとて,その場ですぐ証明は可能です(むしろ何食わぬ顔で複素数平面を持ち出していいのかどうかの方が問題かぁinsect_kuwa_m.gif )

この考え方に基づくとド・モアブルの公式は非常に当たり前臭い等式といえて
α^n=αα^(n-1) は点αに対し角度θの回転移動(n-1)回繰り返した点を表すわけだから,それは角度(n-1)θの回転移動であり,
従って, α^n=cos(nθ)+isin(nθ) が成り立つというわけなのです~kaeru_fuku.gif


試験問題では,出題側がどこまで詳しい説明を要求しているかに沿って解答することが必要です。
角度θの回転移動(n-1)回というのは,非常に明快だしイメージもしやすいので
果たしてわざわざ数学的帰納法を用いて証明することが要求されるかと言うのは悩むところだと思います。
1回αを掛けるとにθだけ回転する。もう1回掛けると更にθだけ回転する。
もう1回掛けると更にθだけ回転する。………,最後の1回αを掛けると最後のθ回転をする。
この途中の,同様の手順を繰り返す「………」の部分で何が起きているのかを
「同様に」みたいに曖昧にせずに明確に説明しなさい,とおっしゃるのならば帰納法を用いるのがベターかと思うので
悩んだのなら帰納法使っとけ,といったところでしょうかkudan.gif


i9.gif


taxi02.gif漸化式を用いるパターン

α^n=X_n+iY_nとおいて, X_n=cos(nθ),Y_n=sin(nθ) となることを示しましょうという方針ですhakushu.gif
まずはX_nとY_nに関する漸化式を立てますwaraioni.gif


i4.gif

連立漸化式の解き方というのは色々あるんでしょうが,
今回は行列計算を使って解いてみますniwatori.gif


i5.gif

ここに現れた行列Rですが,これって角度θの回転行列ですよね~
なのでその(n-1)乗は角度(n-1)θの回転行列なわけです~
でもまぁ,いきなり「回転行列だから~」で済ましていいかどうか不安なので帰納法で証明しときましょうkawauso.gif


i6.gif
i7.gif




taxi02.gifEulerの公式を用いるパターン

これは完全に高校数学の範囲外です~body_walk.gif
でも,ちょっと発展的な話を知ってる高校生ならEuler(オイラー)の公式を知ってるかと思いますfutaba05.gif
(といっても,Eulerの公式みたいに呼ばれる式って実はいくつかある)



i10.gif

物凄く有名で深くてキレイな公式なんですが,この公式を使うと,もはやド・モアブルの定理はただの指数法則を使った計算で済んでしまいますs2_sum_hotaru.gif

i11.gif

ただ,整数ベキだからこれでいいんですが,一般には指数計算は多価性に注意しなきゃいけませんeto_tatsu.gif










最後に1ついっておくと,2項定理を使って (cosθ+isinθ)^n を展開して整理することで,実部と虚部からそれぞれ三角関数のn倍角の公式 cos(nθ)=なんちゃら,sin(nθ)=なんちゃら,を得ることが出来ますよ~ny_tako.gif


もしなんらかの方法で先にn倍角の公式を求めてしまえれば,それを使ってド・モアブルの定理を証明する,
な~んてこともできちゃいそうですねdog_smile.gif






           

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テーマ:算数・数学の学習
ジャンル:学校・教育

タグ:東北大 入試 数学 受験 ド・モアブルの定理 複素数 極形式 回転移動 加法定理 三角関数

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