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2013年名古屋大学前期入試 理系数学 第3問 その1

2013.08.27 18:46|大学入試問題
どもども。

今回は今年の名大入試理系数学の第3問です~




n乗数の和に関する問題ですね~
なんだか難しそうです~

以下の式で定義される S_k(n) と T_m(n) に関する計算問題です。
S_k(n) はk乗数を 1^k から n^k まで加える和ということで
理解しやすいのですが, T_k(n) の方は何だか定義がごちゃごちゃしています。
二項係数なんかが付いてたりするので,何か二項定理との関連性を疑うことが出来れば
だいぶ取り組みやすいはずです~
逆に,二項定理との関連性に気付けなければ結構大変そうです~

e1_201308271732317bb.jpg


さて,n乗数の和に関しては, n=1,2,3 あたりに関しては
公式として覚えてしまっている人も多いことでしょう~car2_ambulance.gif


e2_20130827173232e78.jpg

n≧4 の場合の和の公式はどうやって作ったらよいでしょうか。
Wikipediaのファウルハーバーの公式の項なんかを見てもらえると色々詳しく書いていますが,
ベルヌイ数を使った表示の仕方なんかが知られています~

一方で,高校の教科書や参考書では
Σ_[j=1;n] {(j+1)^k-j^k} を2通りに表した関係式から
順次 S_k(n) を定めていくようなやり方が載ってたりしますdog_smile.gif


e3_20130827173232ee5.jpg

この関係式の中に登場する二項係数を含んだ和が
今回の問題に出てくる T_k(n) なんですよね。
(2)で T_k(n) の一般項を求める問題が出てきますが,
この関係式から一発だったりしますdolphin.gif


なお,大学の複素解析の知識が必要にはなる余談ですが,
以下の関数 ψ_n(z) は複素平面C上の整関数で
zが2以上の整数のとき,n乗数の和を与える面白い特殊関数になっています
差分方程式の整関数解を構成するときなどに用いられます。

e4_201308271732330b9.jpg


m≧2 であるような整数を変数とする関数
f_n(m)=1^n+2^n+…+(m-1)^n を連続変数版に拡張したものが
ψ_n(z) であるといえるわけですね。
負べきのn乗数の和に関してはゼータ関数が知られていますね。



余談はこれくらいにしておいて,今回の問題を見てみましょう。

恐らく,詳しい背景などよくわからずに, 
T_m(n) が何だかよくわからんモノのまま問題に挑んだ人が大半だと思うので,
幾つかの考え方でアプローチしてみたいと思います。

まずは(1)です~
T_m(1) と T_m(2) を求める問題です~eto_mi.gif



 解法1:二項定理を使って変形する

二項定理が絡んでくる和の計算なので二項定理を使った変形に帰着させようとする
作戦が威力を見せます~

ただし k=0 から k=m までの和にしないとマズいので
若干の調整が必要ですeto_ne.gif


e5_201308271732343f4.jpg


T_m(2) の方も同様です~

e6_20130827173234b98.jpg


 解法2:場合の数を使って考える


二項定理との関連性に気付けたら,解法1のようにあっさり計算が出来るのですが,
二項定理を使わないで考えるとしたらどうなるでしょうか。
例えば,二項係数絡みの和の取り扱いといえば,
場合の数を用いた議論に置き換えてしまうやり方なんてのも割とありますよねhamster_2.gif

T_m(1) は,
「m個の異なる玉を1個ずつ箱A,Bのどちらかに入れていく。
 どちらの箱にも少なくとも1個は玉が入るようにする玉の入れ方は何通りあるか」


という問題の答えに一致することに着眼するアプローチが可能です。
箱Aに入れる玉の個数で分類して,それぞれのパターン数を足して
場合の数を求めようとすると T_m(1) の形が姿を見せます。


e7_20130827173258257.jpg
e8_201308271732592ec.jpg




T_m(2) の方はちょっとだけ複雑になります

「m個の異なる玉を1個ずつ箱A,B,Cのどれかに入れていく。
 どの箱にも少なくとも1個は玉が入るようにする玉の入れ方は何通りあるか」


という問題の答えに一致することに着眼します。

箱Aに玉を入れないパターンと入れるパターンにまず分けて,
後者の方は更にAとBに入れる玉の個数ごとでパターン分けをすることで
T_m(2) の形が姿を見せてきます。

e9_20130827173259fc0.jpg
e10_201308271733005cf.jpg

  e11_20130827173300ddf.jpg


二項係数の和の形から,
それに対応する場合の数のシチュエーション(青字で書いてたやつ)を
見いだすのがなかなか大変かもしれませんhamster_3.gif




 解法3:類推して数学的帰納法

二項定理との関連性に気付けなかった場合,他にやってみる手としては
m=1,2,3,4 あたりを代入してみて
T_m(1), T_m(2) の値を類推してみるという作戦があります。

T_m(1) の場合は,2の累乗に近い値が次々出てくることに
勘付く事が出来ればOKです~

e12_201308271733019be.jpg


帰納法を用いて証明しますが,途中で次の公式を使っています。

e18_20130827183113c3e.jpg

教科書や参考書にこれが載っているのは見たことがある人は多いでしょうが
使う機会が滅多にないので,公式の形を覚えていない人が多いかとは思いますが~
「そんな公式があることだけは知ってる」って人が大半でしょう
その場で導くとしたら,(n+1)人の中からk人の代表を選ぶ方法を,
特定のAさんが代表に含まれる選び方と,含まれない選び方に分けて考えると良いです。

e13_20130827173322563.jpg
e14_20130827173322e0c.jpg



T_m(2) の方は同様に証明しようとしたとき,
添え字と指数のズレの補正が必要になるため,計算が大変です。
でもやればちゃんと答えにたどり着けます~hiyos.gif


e15_201308271733235ec.jpg
e16_20130827173323773.jpg
e17_20130827173324f3e.jpg







長くなってきたので,(2)以降は次回にしましょう~hiyob_uru.gif






   
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