2015年センター試験数学1A (旧課程)大問1
2015.02.11 01:46|大学入試問題|
どもども。
今回は今年のセンター試験の大問1(旧課程)について考えてみます~
今年の試験は新課程1年目ということもあり,旧課程と新課程2つのバージョンが存在します~
新課程1年目の出題はあまり冒険してこないので難化しにくい等とよく言われますが
数学1Aの方は確かに難化という感じはなく無難に落ち着いていましたが
数学2Bの方は新課程といえども大きな変更点がありまくるわけではないので難化していたようです~
2B平均点が低いですね!
今回は旧課程の方の第1問です~
前半は恒等式をテーマとした問題になっています~
…が,恒等式は数学2の内容ではなかったかと~~
係数比較法か数値代入法で解くのが自然な問題ですが,何故1Aの方で出してきたのか~
左辺を因数分解して右辺のように変形ができるという状況のようです。
つまり x に関する恒等式が与えられている状況です~
解き進めてみると判明するのですが,
cの値は一意的に確定しますが, a と b の値の組は2通り考えられます。
a<b であるか a≧b であるかによって状況を分けてそれぞれに対して kの値も求めていきましょう~
という趣旨の問題です~
この手の恒等式の問題の解法としては係数比較法がベタなので,まずはそれを使ってみましょう~
右辺を展開し左辺の各項と係数を比較します~
そうすると, a と b の和と積の値が分かるので解と係数の関係を利用して
a と b を2解に持つ2次方程式が構成できます~
ただこの方法も微妙に数2範囲な気がするので,一方の文字を消去して連立方程式を解くという
手法を用いるのもアリだと思います~
恒等式は数2で取扱う内容ですが,
展開と因数分解は逆操作であり,因数分解された式を展開したら元の多項式に戻るという知識は
数1A範囲で十分納得できるものなので,それを論拠に係数比較と同等の操作を行うっていうのが
妥当な線なんですかね~
一方で,数値代入法で解くことも可能です~
x=0,1,-1,2などを代入してみたら良いと思います~
数値代入法は「もしも***が恒等式だったとしたら何を代入しても成り立つはずだ~」っていう発想なので
最後に十分性の確認をしっかり入れておきましょう~~
では後半戦の問題を考えてみましょう~~
論理からの出題です~
昨年に引き続き,必要条件・十分条件などについて考える設問ではなくなっています~
( かつ ) ならば ( かつ )
という命題の対偶を考える設問からスタートです~
一般に,命題 「ならば」の対偶は「ならば」です~
また,条件 「かつ」の否定は「または」です~
これを踏まえると,答えは
( または ) ならば ( または )
になりますよ~
次は,各条件を具体的なものにしてみます~
: n は素数
: n+2 は素数
: n+1 は 5 の倍数
: n+1 は 6 の倍数
n を1以上30以下の自然数とするとき,
( かつ ) ならば ( かつ )
という命題は偽です~
その反例になる自然数 n を見つけ出してくれという設問です~
まぁ n の候補は1以上30以下の素数に限られるので,
n=2,3,5,7,11,13,17,19,23,29 について1つ1つ反例になるかどうかを吟味していけばいいですね~
( かつ ) を満たすということは,
n と n+2 がともに素数でなければならない(いわゆる双子素数ですね!)のですが,
そのような n は n=3,5,11,17,29 の5つです~
もう5つまで絞られました~
一方で,( かつ ) を満たすということは,
n+1 が5の倍数ではないけど6の倍数ではある,という状況が起きなければなりません。
ただ,今見つけたいのはこの命題の反例なので,
「n+1 が5の倍数または6で割り切れない」…という状況になっているものを探せば良いことになります~
n=3のときは n+1=4 満たす
n=5のときは n+1=6
n=11のときは n+1=12
n=17のときは n+1=18
n=29のときは n+1=30 満たす
このことから, n=3,29 が正解になります~
ところで,上の考察では n≧5 のとき, n+1 が毎回6の倍数になっています。
29以降も, n=41 のときの n+1=42 であったり,
n=59 のときの n+1=60 であったり,やはり n+1 が6の倍数になっているのですが,
これは果たして偶然なのでしょうか?
なんと偶然ではないんですよ~
「3,5」 以外の双子素数「p,p+2」に対しては必ず p+1 は6の倍数になります~
これは簡単に確かめることが出来ます~
p+1 が偶数かつ3の倍数であることを確かめればいいわけですね。
p は奇数なので p+1 は偶数であることはすぐ分かります~
また, p, p+1, p+2 は連続3整数なので,この3つの中には必ず3の倍数が混じっているわけですが,
p と p+2 が5以上の素数であることから, p+1 しか3の倍数になり得る候補がありません~
そんなわけで簡単に確認できましたね~
今回は今年のセンター試験の大問1(旧課程)について考えてみます~
今年の試験は新課程1年目ということもあり,旧課程と新課程2つのバージョンが存在します~
新課程1年目の出題はあまり冒険してこないので難化しにくい等とよく言われますが
数学1Aの方は確かに難化という感じはなく無難に落ち着いていましたが
数学2Bの方は新課程といえども大きな変更点がありまくるわけではないので難化していたようです~
2B平均点が低いですね!
今回は旧課程の方の第1問です~
前半は恒等式をテーマとした問題になっています~
…が,恒等式は数学2の内容ではなかったかと~~
係数比較法か数値代入法で解くのが自然な問題ですが,何故1Aの方で出してきたのか~
左辺を因数分解して右辺のように変形ができるという状況のようです。
つまり x に関する恒等式が与えられている状況です~
解き進めてみると判明するのですが,
cの値は一意的に確定しますが, a と b の値の組は2通り考えられます。
a<b であるか a≧b であるかによって状況を分けてそれぞれに対して kの値も求めていきましょう~
という趣旨の問題です~
この手の恒等式の問題の解法としては係数比較法がベタなので,まずはそれを使ってみましょう~
右辺を展開し左辺の各項と係数を比較します~
そうすると, a と b の和と積の値が分かるので解と係数の関係を利用して
a と b を2解に持つ2次方程式が構成できます~
ただこの方法も微妙に数2範囲な気がするので,一方の文字を消去して連立方程式を解くという
手法を用いるのもアリだと思います~
恒等式は数2で取扱う内容ですが,
展開と因数分解は逆操作であり,因数分解された式を展開したら元の多項式に戻るという知識は
数1A範囲で十分納得できるものなので,それを論拠に係数比較と同等の操作を行うっていうのが
妥当な線なんですかね~
一方で,数値代入法で解くことも可能です~
x=0,1,-1,2などを代入してみたら良いと思います~
数値代入法は「もしも***が恒等式だったとしたら何を代入しても成り立つはずだ~」っていう発想なので
最後に十分性の確認をしっかり入れておきましょう~~
では後半戦の問題を考えてみましょう~~
論理からの出題です~
昨年に引き続き,必要条件・十分条件などについて考える設問ではなくなっています~
( かつ ) ならば ( かつ )
という命題の対偶を考える設問からスタートです~
一般に,命題 「ならば」の対偶は「ならば」です~
また,条件 「かつ」の否定は「または」です~
これを踏まえると,答えは
( または ) ならば ( または )
になりますよ~
次は,各条件を具体的なものにしてみます~
: n は素数
: n+2 は素数
: n+1 は 5 の倍数
: n+1 は 6 の倍数
n を1以上30以下の自然数とするとき,
( かつ ) ならば ( かつ )
という命題は偽です~
その反例になる自然数 n を見つけ出してくれという設問です~
まぁ n の候補は1以上30以下の素数に限られるので,
n=2,3,5,7,11,13,17,19,23,29 について1つ1つ反例になるかどうかを吟味していけばいいですね~
( かつ ) を満たすということは,
n と n+2 がともに素数でなければならない(いわゆる双子素数ですね!)のですが,
そのような n は n=3,5,11,17,29 の5つです~
もう5つまで絞られました~
一方で,( かつ ) を満たすということは,
n+1 が5の倍数ではないけど6の倍数ではある,という状況が起きなければなりません。
ただ,今見つけたいのはこの命題の反例なので,
「n+1 が5の倍数または6で割り切れない」…という状況になっているものを探せば良いことになります~
n=3のときは n+1=4 満たす
n=5のときは n+1=6
n=11のときは n+1=12
n=17のときは n+1=18
n=29のときは n+1=30 満たす
このことから, n=3,29 が正解になります~
ところで,上の考察では n≧5 のとき, n+1 が毎回6の倍数になっています。
29以降も, n=41 のときの n+1=42 であったり,
n=59 のときの n+1=60 であったり,やはり n+1 が6の倍数になっているのですが,
これは果たして偶然なのでしょうか?
なんと偶然ではないんですよ~
「3,5」 以外の双子素数「p,p+2」に対しては必ず p+1 は6の倍数になります~
これは簡単に確かめることが出来ます~
p+1 が偶数かつ3の倍数であることを確かめればいいわけですね。
p は奇数なので p+1 は偶数であることはすぐ分かります~
また, p, p+1, p+2 は連続3整数なので,この3つの中には必ず3の倍数が混じっているわけですが,
p と p+2 が5以上の素数であることから, p+1 しか3の倍数になり得る候補がありません~
そんなわけで簡単に確認できましたね~
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