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2016年前期東大入試理系数学 第2問

2016.03.13 09:10|大学入試問題
どもども。

今回は今年の東大前期入試理系数学の第2問をみてみます~

問題はこちら~ げろ


2016t2.jpg

確率の問題です~
n 回目, n 秒後, n 個など,一般の自然数 n に絡んだ確率の問題が割と多い印象がありますが
今年もそういうパターンです。
A,B,Cの3チームが争う野球大会の優勝チームの決定がテーマになっています。
いわゆる巴戦と言われる対戦形式ですね~
また,新課程になったことを踏まえてか,条件付き確率の設問も用意されています~



(1)は n 試合目でAが優勝する確率を求める問題です~

さて,今回の確率の問題を解くにあたって,何から始めるべきでしょうか。
「n」絡みの問題だと,確率漸化式を立てて解くというのが定石としてよく知られているため
今回も漸化式を立ててみようというところから始めてしまうかもしれません。
もちろん,その方針でも解いていくことが出来ます~

漸化式を立てる前に,あるいは漸化式を立てるために, n=1,2,3,4,..... のときに
どのような状況が生じるのか実験してみるというのもよくやるステップです。
今回はいきなり n 試合目と n+1 試合目の関係を考えるのではなく,
まずは試合の変遷を順に辿ってみたほうが全体像がよく分かります~ eto_inu.gif

1試合目は A対B の対戦ですから,2試合目は A対C または B対Cになります。
3試合目,4試合目,5試合目まで優勝チームが決まらなかったとしましょう。
この場合,3試合目,4試合目,5試合目の対戦チームは
2試合目が A対C だった場合にはそれぞれ C対B → B対A → A対C
2試合目が B対C だった場合にはそれぞれ C対A → A対B → B対C
と確定してしまうのです~
これは6試合目以降でも同じで,結局のところ n 試合目まで優勝チームが決まらなかったならば
対戦の流れは1試合目にAが勝ったときの流れとBが勝ったときの流れの2通りに分岐し
それぞれの流れで k 試合目の対戦チームは1通りに確定してしまう
のです hiyo_eye.gif

しかも対戦パターンも A対B, B対C, C対A の3種類しかなく,同じ組み合わせの対戦が3試合毎にやってきます~
このことから,Aが優勝を決めることが出来る試合も3試合毎にやってくることも分かります~
nを3で割ったときの余りが0,1,2のいずれであるかで場合分けして論じていけば良さそうですね~ kaeru_en4.gif



j1_20160320141305e79.jpg


j2_20160320141305c13.jpg


上では n=1 の場合も含めていますが,問題文で問われているのは n≧2 の場合についてなので
n=1 の場合を記述していなくても問題はないと思います~


ではこの問題を確率漸化式を使って解いてみたいと思います~

まずは連立漸化式を使ってみます~
ところで,1試合目がA対Bで,AもBも勝率が  なので,
AとBは基本的に立場が対等です。このことから生じる対称性から,
たとえば「 n 試合目でAが優勝する確率」と「 n 試合目でBが優勝する確率」は等しいとか
「 n 試合目がA対Cである確率」と「 n 試合目がB対Cである確率」が等しいなどのことがいえます~ m_0056.gif

ここで,
「 n 試合目までゲームが続く」かつ「 n 試合目がA対B」かつ「既にAが1勝している,または, n=1 である」確率
を  とおきます。対称性から,
「 n 試合目までゲームが続く」かつ「 n 試合目がA対B」かつ「既にBが1勝している,または, n=1 である」確率
も  になります。

同様に確率  も下図にあるように定義しておきます。

j3_20160320141306a7f.jpg

このとき,数列  の間に成り立つ関係式を作って,  を消去し,


という関係式に移行します。  は等比数列ではありませんが, 
 はすべて公比が  の等比数列になります~

 が分かればそれを使って直ちに  も求められます。

このとき, n≧2 において求める確率  は



で計算ができます~ m_0207.gif




j4_2016032014130689e.jpg


j5_20160320141307259.jpg
j6_201603201413077b8.jpg



同じく確率漸化式を立てる方針ですが,はじめから1個の数列を用意して攻めてみます~
「n=1である」または「 n 試合目を始める時点で既にAが1勝している」確率を  とおきます~

n≧4 のとき  が成り立つことを導いていきます。
また, n≧2 のとき求める確率は  で計算できます~ m_0235.gif



j7_201603201413364dd.jpg

j8_2016032014133679e.jpg


  j9_20160320141337e49.jpg




ぼちぼち(2)に進みます~
3m回以下でAの優勝をもってゲームが終了するという前提のもとで,
最終試合がA対Bである条件付き確率を求める設問です~
条件付き確率の定義から,3m回以下で最終試合がA対BでAの優勝をもってゲームが終了する確率を
3m回以下でAの優勝をもってゲームが終了する確率で割れば良いですね onigiri_1.gif

「3m回以下でAの優勝をもってゲームが終了すという事象」は
「1試合目でAが優勝する」(これは確率0ですが) または 「2試合目でAが優勝する」
または 「3試合目でAが優勝する」 または …… または 「3m試合目でAが優勝する」
という3m個の排反な事象の和集合なので,(1)の結果を使ってこの確率は  と表せます~


j10_20160320141337b4c.jpg


一方で,3m回以下で最終試合がA対BでAの優勝をもってゲームが終了する確率を考えましょう。
対戦の流れは初戦でAが勝ったときの流れとBが勝ったときの流れの2本しかないわけでしたが,
このうちA対Bが最終試合になってAが優勝するのは初戦でBが勝ったときの流れのほうです。
なので初戦にBが勝ち3m回以下でAが優勝する確率を求めればOKです。
はじめの解法の(イ)の確率ですね xmas_tonakai.gif




j11_20160320141338b95.jpg


なお連立漸化式を使っていたときは,3m回以下で最終試合がA対BでAの優勝をもってゲームが終了する確率は
 で計算できます~ aicon_bbs18.gif








  
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