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誤答から学ぼうシリーズ・点が直線上にある条件と1次独立性

2016.06.26 21:56|誤答から学ぼうシリーズ
どもども。

敢えて誤答から教訓を学び取るシリーズです~ mini B83A1030-C961-4B4A-8DDD-1EC8045A3B90
今回は俗に「共線条件」などと呼ばれていたりすることもある性質を利用した解答に関する誤答を挙げます~


例題: xyz空間上の3点 A(1,2,-3), B(3,-1,2), C(5,-4,7) が与えられていて,
線分ABを 1:3 に内分する点をDとし,実数 k に対し  を満たす点Pをとる。
点Pが直線BC上にあり,それが O(0,0,0) から直線BCへ下した垂線の足と一致するとき, k の値と
線分OPの長さをそれぞれ求めよ。




誤答を挙げてみます~



w1_20160626113827184.jpg


点Pが原点から直線BCへ下した垂線の足だという条件を使わずに答えが出てしまいました。
そもそも垂線云々関係なく,Pが直線BC上にあるという条件だけで k の値が決まってしまうじゃないかという
感じの解答になっていますが,その k を求めるプロセスに欠陥があるようです~

何が誤っているのかを検証するために基本事項のおさらいをしましょう~ dog_shy.gif


 一般に,点Oを基点とする位置ベクトルを考えるとき,相異なる2点A,Bに対して,
「点Pが直線AB上にある」
⇔ 「  (k:実数) の形で表せる」 ……
⇔ 「  (k:実数) の形で表せる」 ……
⇔ 「  ( α,β は α+β=1 を満たす実数) の形で表せる」
 ……


この事実に基づいて「係数の和=1」に着目して  という立式をしています。
しかしながら,ここで物凄く注意したいのは,
「~~~~の形で表せる」 というのと 「~~~~の形でのみ表せる」, 「~~~~の形で一意的に表せる」,
「~~~~の形でのみ一意的に表せる」 などというのではそれぞれ意味が大きく異なる
ということです~ eto_tatsu.gif
例えば 「~~~~の形で表せる」 の場合,もしかしたら別の形でも表わせてしまうかもしれません。
上の青文字で挙げた性質は,  では k が一意的に定まります。
  は「係数の和が1の形で書ける」という主張ですが「係数の和が1の形でのみ表せる」
という意味ではありません。「係数の和が1」の形に絞れば k の値は一意的だけれども,
そもそも「係数の和が1でない形」でも表せる場合が存在します。
表し方が一意的ではないのに一意的だと勘違いしてしまったことがまさに今回の誤答の原因になっています~ kawauso.gif
つまり,「  の形で表せてたら,それはもう α+β=1 が成り立っているのだ」
といったような決めつけがマズかったのです。
そのような決め付けが正当性を持つには,  が1次独立であるという仮定が必要です。

その仮定がなければ,3点O,A,Bはもしかしたら同一直線上にあるかもしれなくて,
そして更にOがBと異なる点だったならば,  を満たす実数 γ が存在します。
そして,例えば  のように書けたりもするわけです。
 の定数倍どうしの和の形での表し方が無数に存在します。係数の和もばらばらです。


今回の誤答例では3点A,B,Cがいかにも同一直線上になさそうな風の図を描いて考えていますが,
よくよく3点の座標を見てみると,この3点は実は同一直線上に並んでいます~ kaeru_yodare2.gif
ゆえに  は1次独立ではありません。
このため,安易に  という立式をするわけにはいきません。
OP⊥BC の条件から先にPの座標を決定してから k の値を求めればよかったのです~
というわけで正答例を挙げてみましょう~




w2_20160626113828bba.jpg
w3_20160626113828d4f.jpg



          w9_2016062613553544f.jpg


以上の話を踏まえて次の例題と解答例を見てみましょう~

問題: △ABCにおいて,辺ADを1:2に内分する点をD,辺ACを2:1に内分する点をE,線分BEとCDの交点をP,
直線APと辺BCの交点をFとするとき,線分比 DP:PC および AP:PF を求めよ。



w4_20160626113829d93.jpg


まず,何の断りもなく k が登場しているので,「 k は実数」 みたいな記述を入れておくのがよいでしょう。
この解答例でも「係数の和=1」に着目して k の値を求めていますが,係数の和が1だと断定していい論拠として
 の1次独立性がこっそり使われているので,答案の中に
 は1次独立であるから」という記述を入れておく方が妥当でしょう。
一方で後半の  を見い出した部分について考えてみます。
直線BC,APの両方の上にある点の位置ベクトルを強引に1つ見つけてきて,
平行でない2直線の交点はただ1個であることを根拠にこれがFの位置ベクトルと一致しなければならない
という論理を用いています。
もう少し丁寧に言うと,  であって,また  となる実数 m が存在するので
2式の辺々を引いて,  を得ますが,もしも  が異なる点であったならば
 かつ  より  という不合理が得られてしまうので, 
 は同一の点だというわけです~
 の1次独立性を用いているわけではないので,その点に触れなくても良いですね。
いや,用いていないというと若干語弊もあります。
「BC,APの交点がただ1つであること」も「  の1次独立性」もどちらもそのルーツは
「3点A,B,Cが同一直線上にない」ことですから,結局は同じことなんですね。
 から  の1次独立性を根拠に
 と立式して解いていくことも出来るように,ベクトルを用いて解いていくと
「3点A,B,Cが同一直線上にない」ことから端を発する何かを根拠にしていく流れになります m_0052.gif






  
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