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誤答から学ぼうシリーズ・相加・相乗平均の関係と変数の取り得る値の範囲

2016.06.27 02:08|誤答から学ぼうシリーズ
どもども。

敢えて誤答から教訓を学び取るシリーズです~ げろ
今回は相加・相乗平均の関係って変数の取り得る値の範囲を調べる際の注意に関する話題です~

問題: 実数全体で定義された関数  について考える。
(1)  とおくとき, t の取り得る値の範囲を求めよ。
(2) f(x) の最小値を求めよ。



では誤りを含んだ解答例です~ w01.gif



w5_20160627003911a05.jpg


今回の例題をもうちょっと易しくしたタイプの問題として,



の最小値を求めよ,のようなものがよくありますね。まずはこちらについて触れておきたい事柄があります~
 とおくことによって, F(x) を t の2次関数にすり替えてしまうことにより最小値を求める
というのがスタンダードな手法になっています。
変数の置き換えを行う場合は,新変数の動ける値の範囲を調べておかないと正しい答えが出せません。
 であるから,相加・相乗平均の関係を使って 
等号成立条件は  
したがって, t の動ける範囲は t≧2 である。
……のようにやるのをよく見かけます。今回の誤答例でもこの通例の手法に沿って(1)の解答が作られています。
しかしながら,この部分に大きな問題が潜んでいるのです~ taxi02.gif

さて,数行上で得られた t≧2 という不等式ですが,これが表していることは本来, t の最小値が2だと
いうことだけであって, t の取り得る値の範囲が t≧2 だという意味ではないということに注意が必要です。
つまり2より大きな全ての実数値を t が取れるのかどうかについては相加相乗平均の関係から得られる不等式は
何も語っていないわけです。にもかかわらず最小値だけ調べて t≧2 が取り得る値の範囲だ,といって
話を進めてしまうのは  がともにすべての正の値を取り得るものだからその和も最小値以上の値を
全て取り得るということを暗黙の了解としてしまっていて,そこにいい加減さがあります。

最小値の話に付け加えて,
最低限でも「  は実数全体で定義された連続関数であり,また 
が成り立つことから t は2以上の任意の実数値を取り得る
」くらいは書いておいてほしいところです。
これはもう少し詳しく書くと, x≧0 において



より t は x に関して単調増加な関数になっていて,また 
が成り立つことから t は2以上の任意の実数値を取り得るというわけです star-ani01.gif

数3の微分を知らない場合は次のような処理も可能です。
t≧2 を満たす任意の実数 t に対して x に関する方程式



は  (注:  より±のどちらをとっても右辺は正の値になります)
から  という解を持つので, t は2以上のすべての値を取り得ることが分かります riisu.gif

あるいは2次方程式の解の配置問題に帰着させて処理することも出来ます~
 とおくことにより, X の2次方程式  が正の解を少なくとも1個は
持つような t の範囲を求めればよいので,  
のグラフに着目すると,このグラフが t の値によらず点 (0,1) を通ることから



が成り立てばよく,これを解いて t≧2 を得ます~

これらのことを踏まえて元々の例題に戻りましょう~
 についても t≧2 が成り立つことは間違いありません。しかしながら,
これが t の動き得る値の範囲を表しているかと言われればそれは正しくありません~ kinoko03(1).gif
x が任意の実数値を動くとき  なので 
が成り立ちます。辺々を足してみるという粗い評価式を考えるだけでも t が4より大きい値を取れないことは
すぐ分かります。そこで,相加・相乗平均の関係だけで処理を終えず,丁寧に論じておく必要があります~

(1)は例えば次のようにやります~


w6_20160627003912384.jpg


数3の微分を用いず2次方程式の解の配置問題に帰着すると,次のようになります~


w7_20160627003912192.jpg





それに伴い(2)は次のようになります~


w8_201606270039121a7.jpg






  
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