どもども。
敢えて誤答から教訓を学び取るシリーズです~

今回から「その図はおかしい」という部類の誤答を3連続で挙げてみたいと思います~
「その図はおかしい」という誤りは幾つかのパターンに分類できそうです。
とりあえずパッと思いついた3つというのが,
概形がおかしい
位置関係がおかしい
考えられる図のパターンが1通りではないでした。「概形がおかしい」とは,鈍角三角形であるはずのものが鋭角三角形として考えられているとか,
上に凸の放物線であるはずが下に凸の放物線と勘違いしているなどといった,
そもそもの図形が違うというタイプのものです

今回扱うのがこのタイプの誤答です~
問題: xy平面上の図形
上の点Pが,
条件 「任意の正の数 r に対し,Pを中心とする半径 r の円はFと相異なる共有点をちょうど4個持つ」
を満たすとき,Pの座標を求めよ。 それでは誤答例です~

与えられた方程式が2次曲線のものであることに着目して,これが表すものが楕円(円),放物線,双曲線の
いずれであっても条件を満たすような点は取れない!だから具体的にFが楕円なのか放物線なのか双曲線なのか
調べるまでもなく答えは「そんなPはない」だ!!
という発想のようです~

2次曲線といえば,その一般形は

ですね。ただし, (a,b,c)≠(0,0,0) とします。
適当な変数変換を施すことによって楕円や放物線や双曲線の標準形に帰着できるのですが,
中にはこの3つのいずれにも直せない特殊なタイプも存在します。
退化したものとして2次曲線のグループに含めない場合もあるのですが,
2直線を表す場合があります

分かりやすい例を挙げてみましょう~

という方程式が表す図形はどのようなものでしょう。
(x-y)=0)
と変形できるのだから, x+y=0 または x-y=0 となり,
この方程式の表す図形は2直線になってしまいます~
このような特殊な例がある以上,2次曲線らしき方程式が出てきたからといって安易に楕円か放物線か双曲線の
いずれかだと決めてかかることは出来ませんね


が表す図形は,
^2=0)
と変形できることから,1直線 x-y=0 です。

が表す図形は x=y=0 より1点 (0,0) です。

は,これを満たす (x,y) が存在しないため,何の図形にもなりません。
このように特殊な例も色々あるんですね。
それでは今回の例題で与えられた図形Fは一体どういう図形なんでしょう。
実はFの方程式は
(2x-y+1)(x+y+2)=0 と変形することが可能です。
つまり
2直線 2x-y+1=0, x+y+2=0 を表します

2直線の交点の位置にPを取ると任意半径の円がそれぞれの直線と2回ずつ交わり合計4個の共有点を持ちますね。
それ以外の位置だと十分小さい半径の円を描けば共有点を2個しか持たなくなります~
それでは正答にいきます~
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