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誤答から学ぼうシリーズ・空間ベクトルと1次独立

2016.09.25 13:51|誤答から学ぼうシリーズ
どもども。

敢えて誤答から教訓を学び取るシリーズです~ げろ


今回は空間ベクトルの問題です~


問題: O(0,0,0)を原点とする xyz 空間上に3点 A(1,3,-2), B(3,-5,1), C(4,-2,-1) が与えられていて,線分ABを1:2に内分する点をD,線分BCを1:2に内分する点をE,2直線CD,AEの交点をPとする。このとき,Pの座標を求めよ。

それでは誤答例です~



ww20.jpg
ww21.jpg




四面体をテーマとした空間ベクトルの典型的な問題として捉えて,  を  の定数倍の和の形で
2通りに表し,1次独立性を根拠に係数比較をするという流れの答案になっています。

なぜ1次独立だと係数比較が出来るのかという点を振り返ってみると,
A,B,Cは同一直線上には並んでおらず,かつOが平面ABCにはないとき,
 は1次独立になっていることから,
平面ABC上の任意の点Xに対し,実数α,βを用いて




のように  の定数倍の和の形で表せます。ここでポイントは係数の和が1であることと,
係数が一意的に定まるということです hiyo_ang2.gif

ただ1通りの表し方しかないということから,もしも2通りに表されたらその2つは同一のものでなければならない
と言えて,係数の比較が出来るのでした。

では,そもそも1次独立性とは何であったかについて考えてみましょう。
平面ベクトルのときは,2つのベクトル  が1次独立であるとは,実数x,yに対して



が成り立つことを言います。実数x,y,z,wに対して



が成り立つことと同値です。
また,  かつ  が平行でないこととも同値です。
平面上の任意のベクトルが何らかの実数 x,y を用いて  の形で表せるということとも同値です。
しかも表示の仕方は1通りです。

これを3次元版にしたら空間ベクトルの1次独立性の定義が与えられます insect_kabuto_m.gif
 が1次独立であるというのは,実数x,y,zに対して



が成り立つことを言います。



と同値であることや,空間上の任意のベクトルが  の形で表せることなどと同値であることは
平面ベクトルのときの拡張になっているわけですが,
 かつ  のうちどの2つも平行でないということとは
同値ではありません hunayurei.gif

例えば xy 平面上の3つのべクトル  はどれも  ではなく,
またどの2つも平行ではありません。しかし,空間上の任意のべクトルをこの3つの定数倍の和で書くことはできないですし,
x=y=1,z=-1 のときも  を満たしてしまいます。
よってこの部分は平面のときの内容をこのような形で3次元版に書き換えるのではダメなようです~
正しく簡潔に言い換えると,  が同一平面上のベクトルではない,ということになります。
この条件が成り立てば  はいずれも  であってはいけなくなりますし,どの2つも平行ではありません。
確かに平面のときの拡張になっています kitune.gif

上の誤答例ではこの部分が良くないのですね。どれも  でなく,どの2つも平行でないから1次独立だ,
としている箇所がありますね。これだけだと1次独立である保証がありません。
しかも意地悪なことに実は4点O,A,B,Cは同一平面上にあり,  は1次独立ではありません。
誤答例は四面体の図を描くところから始まっていますが,そもそも四面体にならないのです。
座標をよく見てほしいのですが  が成り立っています。
したがって,1次独立性を根拠にした係数比較の部分の論理が崩れてしまいます。
本当は平面ベクトルの理論で立ち向かうべき問題だったわけです~ kudan.gif

ただ,注目したいのは答えの座標は P(2,0,-1) で合っているのです。
これは偶然なのでしょうか?実数α,βを用いて





という形に一意的に表せること自体は  が1次独立でなくても成り立つことが分かります。
α と β の一意性は空間ベクトルの1次独立性ではなく平面ベクトル  の1次独立性に
由来するものだからです。
このことから,平面上の同一直線上にない3点A,B,Cと任意の点Oに対して,平面上の任意のべクトル  は
 の形に一意的に表せるということが言えます。
 の表示が一意的だからです。
今回の誤答例の方針で正解が得られてしまったのは,この事実が根拠になって係数比較が出来たからだと言えます~
ただし,係数の和が1とは限らないという条件下では  の形の表示は
無数に存在するので注意です。

それでは正答例にいきましょう~
平面ベクトルの標準的な手法で解いています~ hachi03.gif




ww22.jpg
ww23.jpg















   
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