どもども。
今回は今年の東大入試理系数学の第1問を見てみます~

今年の東大入試は巷で言われているように例年に比べるとだいぶぬるい印象です。
試験としては十分に機能するのだと思いますが,もしこの傾向がずっと続いていくのならちょっと物足りないですね~
第1問は三角関数と2次関数の融合のような問題です。
難易度的にはやや易しめ。
問題はこちら~

2つの三角関数 f(θ), g(θ) が主役ですが, x=cosθ の置き換えにより,
三角関数から多項式に移行します~
g(θ) の最小値についての設問が(2)に出てきますが,実質的には2次関数の問題になってしまう,
というのがあらすじですかね

それでは(1)をさくっと処理してしまいます。
3倍角の公式と2倍角の公式を用いて f(θ) を cosθ の多項式に直してしまえばOKです~
方程式 f(θ)-f(0)=0 は θ=0 を解に持つので cosθ-cos 0 すなわち x-1 は
x の多項式で表した f(θ)-f(0) の因数の1つとして現れます

このことから, g(θ) も x の多項式で表すことができるわけです。

0<θ<π のとき, -1<x<1 です。
この範囲において g(θ) の最小値を考えますが, θ を一旦置いといて、
x の2次関数として捉えていきます。
よくある軸の位置で場合分けする典型問題です~

=4x^2+2(a+2)x+2a+b+1=4\left&space;(&space;x+\frac{\,a+2\,}{4}&space;\right&space;)^2-\frac{\,a^2\,}{4}+a+b)
とおきます~
y=G(x) のグラフの軸の方程式は

です。
軸が区間 -1<x<1 に含まれているかどうかで事情が変わってきますね。

または

が成り立つときには区間 -1<x<1 において
G(x) は最小値を持ちません。

の場合に限り,区間 -1<x<1 における最小値が
存在し,それが0になることから

という関係式が得られます~



軸の位置で場合分けして

の条件を見い出しましたが,
落ち着いて吟味すると場合分けを回避することもできます。
区間 -1<x<1 において最小値があるということは,この区間において2次関数 G(x) が
単調増加であったり単調減少であったりしてはいけません。閉区間ではなくて開区間だからですね。
-1でも1でもないその間の何処かで最小値を取らなければいけません。
G(x) は区間のはじめでは単調減少していて,頂点のところで最小値を取り,以後は単調増加する。
このような状況になっていなければならないわけです。
ということで軸が区間内にあることから

が得られます。

ところで,
=4t^3+2at^2+(b-3)t-a)
とおくと,
=\frac{F(x)-F(1)}{x-1})
というのは y=F(t) のグラフ上の2点 (1,F(1)),(x,F(x))を通る直線の傾きを表しています。
t が1から x まで動いたときの G(x) の平均変化率と言っても良いでしょう。
-1<x<1 で考えるということは (x,F(x)) は (1,F(1)) より左側にあることになりますね。
-1<x<1 で g(θ) の最小値が0であるということは,この傾きが最小値0だということです。
「傾きが常に0以上であり,0になることもある」
という点に着目して条件式を立ててみましょう~

F(t) が単調増加な3次関数ならば決して平均変化率が0になることはないので, F(t) は極値を
持つタイプの3次関数です。
x=α で極大値 M, x=β で極小値 m を取ると仮定すると, m≦F(1)≦M でなければいけません。
そうでないなら y=F(t) のグラフは t 軸に平行な直線 y=F(1) と共有点を1個しか持たないからです。
また,平均変化率が負にならないためには -1<x<1 で常に F(x)≦F(1) が成り立たなければいけません。
これが実現するのは,
-F(1)=(x-\alpha)^2(x-1)\,\,,\,\,\alpha<1)
の形で書けるときに限られることを
検証していきましょう~




- 関連記事
-
スポンサーサイト
テーマ:大学受験
ジャンル:学校・教育