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2013年東京大学前期入試 理系数学 第3問 その1

2013.03.21 20:54|大学入試問題
どもども。

今回は今年の前期東大入試理系数学の第3問をやっていきます~

問題はこちら~もなたん算数mini
http://nyushi.yomiuri.co.jp/13/sokuho/tokyo/zenki/sugaku_ri/mon3.html


確率の問題ですが,後半は実質的に数列の問題ですね~

コインを投げて表が出るか裏が出るかによって得点を与えるゲーム
という,とてもよくあるシチュエーションです~
よくあると言っても,確率の問題としてよくあるということであって,
実際にこんなゲームで盛り上がれる人間は極めて稀有だと思いますが~~dog_happy.gif

よくあるパターンの問題ではありますが, n の偶奇による場合分けが
必要だったりして,油断をすると頭の中がパニックになってきてしまう
可能性もある怖い問題でもあります。

そして計算ミスもしやすいと思われるので,くれぐれも慎重にやらないと
大変なことになります。
(2)の計算も地味に手間がかかるので,
もし(1)で間違えてしまうと取り返しがつきませんね~~><



それではやっていきましょう~

Aがコインを持っているときは,コインを投げて
表が出ればAがコインを持ったまま,Aに1点与えて,
裏が出ればAにもBにも得点を与えずコインをBに渡します~


Bがコインを持っているときは,コインを投げて
表が出ればBがコインを持ったまま,Bに1点与えて,
裏が出ればAにもBにも得点を与えずコインをAに渡します~


最初にAがコインを持っています~

先に2点取ったほうが勝ちです~

n回コインを投げ終えたときにAが勝利する確率 p(n) を求める問題ですよ~


例えば,下の遷移図は,Aが5回目と11回目のコイン投げで得点し,
Bが9回目のコイン投げで得点し,結果Aが勝利するという結果を表したものです~
どちらかが得点する箇所以外はAとBが交互にコインを持っています~
どこで交互の受け渡しが途切れるかに着目することが大事そうですね。

r1_20130321184230.jpg




 解法1:Bが0点で終わるか1点で終わるか,および,Aが何回目で1点目を得るかで場合分けしてみる

n回でゲームが終了するためには(n-1)回目のコイン投げを終えた時点で
どういう状態になっていなければならないかに着目するのが常套手段ですねstar-ani01.gif

今回の場合は,(n-1)回目のコイン投げを終えた時点で

 Aがコインを持っている
 Aが既に1点を持っている


という2つの条件を満たしていなければいけません~
その上で,n回目に表が出てAが2点目をゲットンしてゲーム終了です~sakura02.gif

このような状況には,最終的にBが0点で終わる場合と1点で終わる場合の
2パターンがあります~
「n回目のコイン投げでAが勝利する かつ Bは0点」の確率 q(n) と
「n回目のコイン投げでAが勝利する かつ Bは1点」の確率 r(n) の
和が p(n) になりますよ~


まずは q(n) について考えていきます~
すなわちBが0点のままゲームが終了する場合です。

(n-1)回のコイン投げの途中どこかでAが1点を取らなければいけません。
最初Aがコインを持った状態でスタートし,Aが得点するまでは
AとBが交互にコインを受け取ることになります。
Aが得点したあとも,(n-1)回目まで再び交互にコインを受け取ります。

したがって,Aがコインを持っているのは

最初 → 2回目 → 4回目 → 6回目 → … → (2k)回目 
→ (2k+1)回目 (ここで1点) → (2k+3)回目 → (2k+5)回目 → …
→ (n-1)回目 → n回目 (ここで2点,ゲーム終了)


のときになるわけですkatorisenko02.gif
Aが得点する際に表が2連続で出現しなければいけません。
始めのうちは偶数回目のコイン投げのタイミングで受け取りますが
1点目を取った後は奇数回目のコイン投げのタイミングで受け取ることになりますね。

例外が2つあります~
まず,1回目のコイン投げで表が出た場合。
この場合は1回目の時点で1点目をフライングゲットするので
序盤にあるべき偶数回目のタイミングでのコイン受け取りがありません。
そして1点目を取るときに表が連続出現する必要がありません。

r2_20130321184230.jpg

もう1つは,(n-1)回目のコイン投げで1点目を獲得する場合です。
この場合は1点をとった後の奇数回目でのコイン受け取りがありません。


r39.jpg

これらのパターンもまとめて同列に考えることもできますが(解法2でやります),
例外が起こるめんどくさいパターンは一旦分離して別個に考えることにしますね~

とりあえず,いずれの場合においても n が偶数でなければならないことを
見逃さないでください~curry02.gif
n が奇数の時は,Bが0点で終わるというシチュエーションは起きないのです~
つまり q(n)=0 になります~
そういうわけで, n=2N とおけます。

では最初は,1回目のコイン投げで表が出た場合について考えてみます。
Aがコインを持っているのは,1,3,5,7,…,2N-1,2N 回目のコイン投げを
終えたタイミングなので,n回分の表裏の出方が一意的に決定されます

1回のコイン投げで,表が出る確率も裏が出る確率も共に 1/2 なので
それが n 回分だと思って,確率は (1/2)^n になります~

r3_20130321184230.jpg


続いて,Aが1点目を得るのが(2k+1)回目(3≦2k+1≦2N-3)
である場合を考えます。
遷移図の中に ↓ のような部分が含まれる場合です。

r4 1

kを決めるとコインの遷移図は一意的に決まってしまうので
確率は各kに対して,やはり (1/2)^n になっています~

r4_20130321184231.jpg


最後に,Aの1点目が(n-1)回目(つまり(2N-1)回目)のコイン投げを終えた
ときである場合です。この場合もやはり1パターンしか無いので確率は (1/2)^n なのです~

r5_20130321184231.jpg

あとは(ア)~(ウ)の分を足せばよいのですが,注意が必要です。
n≧4 の場合は(ア)~(ウ)の事象は互いに排反ですが((イ)はn=4では生じないですが),
n=2 の場合は(ア)と(ウ)が同じ事象を表すので,重複して足してはいけません。

r6_20130321202610.jpg


結果としては n=2 の場合も n≧4の場合の式が適用出来るようですねfuurin03.gif







次は,Bが1点獲得する場合について考えていきます。
先程と同様に,Aが1回目または(n-1)回目で1点目を得る場合は別に考えてみます。

Aが1回目のコイン投げで1点目を得る場合は,Aがコインを持っているのは

1回目 (1点目)→ 3回目 → 5回目 → (2ℓ-1)回目 → (2ℓ+2)回目 
→(2ℓ+4)回目 → … → (n-1)回目 → n回目 (2点目,ゲーム終了)


のときです。
n-1 が偶数なので n は奇数でなければいけませんbutterfly07.gif
というわけで n=2N+1 とおけます。

Bが1点目を得る (2ℓ+1)回目 の選択が
2ℓ+1=3,5,7,…,2N-1 の (N-1)通りあるので,
確率は (N-1)(1/2)^n になっています。


r7_20130321184302.jpg

次は,Aが1回目以外で1点をゲットし,しかもそれがBの1点ゲットより先である場合を
考えてみます

Aが(2k+1)回目で1点ゲット,Bが(2ℓ+1)回目で1点ゲットするとします。
Aがコインを持っているのが

2回目 → 4回目 → 6回目 → … → (2k)回目 → (2k+1)回目 
→ (2k+3)回目 → (2k+5)回目 → … → (2ℓ-1)回目
→ (2ℓ+2)回目 → (2ℓ+4)回目 → … → (2N)回目 → (2N+1)回目


になります。
やはり n は奇数(n=2N+1)でなければいけません。
各kに対し 2ℓ+1 の取りうる値が 2ℓ+1=2k+3,2k+5,…,2N-1 の
(N-k-1)通りあるので確率が (N-k-1)(1/2)^n  だけあります~kaeru11.gif


r8_20130321184302.jpg
r9_20130321184302.jpg




では,AよりもBの方が先に1点ゲットしてしまう場合はどうでしょう。
Aの1点ゲットが(n-1)回目ではないとします。

Aがコインを持っているのは

2回目 → 4回目 → 6回目 → … → (2ℓ-2)回目 → (2ℓ+1)回目 
→ (2ℓ+3)回目 → (2ℓ+5)回目 → … → (2k-1)回目
→ (2k)回目 → (2k+2)回目 → … → (2N)回目 → (2N+1)回目


のときです
やはり n は奇数(n=2N+1)でなければいけません。
各kに対し 2ℓ の取りうる値が 2ℓ=2,4,…,2k-2 の
(k-1)通りあるので確率が (k-1)(1/2)^n  だけあります~

r10_20130321184303.jpg
r11_20130321184303.jpg


最後に,Aが(n-1)回目で1点目をゲットする場合です。

Aがコインを持っているのは

2回目 → 4回目 → 6回目 → … → (2ℓ-2)回目 → (2ℓ+1)回目 
→ (2ℓ+3)回目 → (2ℓ+5)回目 → … → (2N-1)回目
→ (2N)回目 → (2N+1)回目


のときです。
やはり n は奇数(n=2N+1)でなければいけません。
各kに対し 2ℓ の取りうる値が 2ℓ=2,4,…,2N-2 の
(N-1)通りあるので確率が (N-1)(1/2)^n  だけあります~


r12_20130321184330.jpg


あとは(ア)~(エ)の確率を足せばよいのですが,
この4つの事象が全て生じるのは n≧7 の場合であることに注意します
n=1,3,5 の場合は別に考えます。
特に n=1,3 の場合は Bが1点を取るシチュエーションは起きません。

r13_20130321184330.jpg
  r14_20130321184330.jpg
r15_20130321184330.jpg



さて,求めるべき p(n) は, q(n)+r(n) で与えられます~rokuro.gif



r16_20130321184330.jpg



 解法2:Bが0点で終わるか1点で終わるかで場合分けしてみる(組合せを用いた考察)

Aの1点目について,表が2連続出現する必要のない1回目でのゲットと,
2点目まで含めて3連続で表が出なければならない(n-1)回目でのゲットを
する場合を,面倒だから特殊事例として分離したのが解法1でしたが,
実はこの分離はかえって話をややこしくしていたりしています。

分離せずに一気に扱ってしまうことが出来ます。
また,Aがk回目のコイン投げで1点を得るとすると,
解法1ではkごとの確率を求めて全部足しましたが
今度は始めからkに関して和をとったものを求めてしまいますs1_spr_chulip.gif

まずはBが0点で終了する場合です。
n=2N の場合にこのシチュエーションは起きて,
Aがk回目のコイン投げで1点を得るものとすると,
kの取りうる値は k=1,3,5,7,…,2N-1 のN通りあります。
kを決めるとコインの遷移図は1通りに決定されてしまうので
確率は N(1/2)^n になります~

r17_20130321184331.jpg


Bが1点獲得する場合はどうでしょう。
n=2N+1(奇数)である必要がありました。
Aが先に1点を得るか,それともBが先かで場合分けします。

Aが先の場合は,AとBは共に奇数回目で1点を獲得します。
Aがk回目で,Bが ℓ 回目で1点を得るものとすると,
(k,ℓ)の組が決まれば遷移図は1通りに確定するので
(k,ℓ)の組の個数を数えてしまいたいです。
これは 1,3,5,7,…,2N-1 の中から2つの奇数 k と ℓ を
選び出す
ことと同義ですrisu.gif
ただし,n=1,3の場合は2つの奇数を選べないので別個に考える必要があります。

r18_20130321184358.jpg


Bが先の場合は,AとBは共に偶数回目に1点目を得ます~
Aがk回目で,Bが ℓ 回目で1点を得るものとすると,
(k,ℓ)の組が決まれば遷移図は1通りに確定します。
(k,ℓ)の組の数は, 2,4,6,…,2N の中から2個の偶数 k,ℓ を
選び出す組合せの数に等しいですrobo.gif
n=1,3 の時は2個の偶数を選べないので別個に考える必要があります。

r19_20130321184358.jpg
r20_20130321184358.jpg


これで解法1と同じ q(n) と r(n) が得られました~




 解法3:Aが何回目で1点を得るかで場合分けする

Aがk回目のコイン投げで1点目をゲットするとしましょう~
今度はkの値で場合分けします。
解法1と似ていますが,Bが何点で終えるかは無関係に,
Aがk回目で1点,n回目で2点をとってゲーム終了となる確率 p_k(n) を求めてみます

kの取りうる値は k=1,2,3,4,…,n-1 であるので
p(n)=p_1(n)+p_2(n)+p_3(n)+…+p_{n-1}(n)
です~

p_k(n) はkが偶数か奇数かによって変わってきます。
まずはkが偶数であるとしましょー。

今までの考察からも分かるように,nが偶数の時は任意の偶数kに対して p_k(n)=0 です。
一方,nが奇数の時は n=1,3 の場合は p_k(n)=0,
n≧5 のときは,Bがkより小さい偶数回目で1点をゲットする場合があります~rice_hungry.gif


r21_20130321184358.jpg
r22_20130321184359.jpg


kが奇数のときを考えてみます~

nが偶数のときは,A:2点 B:0点 で終わるときにあたります。
nが奇数のときは,A:2点 B:1点 でAが先に1点ゲットする場合にあたります~korobo.gif
そのようなパターンは各kに対し (n-k-2)/2 通りあります。

r23_20130321184359.jpg
r24_20130321184426.jpg



あとは p(n)=p_1(n)+p_2(n)+p_3(n)+…+p_{n-1}(n)
を計算するだけですね~onigiri_1.gif
nの偶奇で結果が変わってきます。

nが偶数のときは n=2N とおいて,
偶数項と奇数項それぞれの和に分解して計算すると良いです~
nが奇数のときも n=2N+1 とおいて同様に計算します~


r25_20130321184426.jpg

r26_20130321184426.jpg
r27_20130321184426.jpg





 解法4:確率漸化式を使う

n回目の確率がどうの~~ とかいう確率の問題を機械的に処理する
有効手段としては漸化式を用いる手というのがありますcar2_tank.gif
今回もこの手が使えます。
登場する数列の数が多いこと,漸化式を複数解く必要があって面倒なことを考えると
今回はあまりオススメではないかもしれませんね。

n回のコイン投げを終えた状態で勝敗がついていないとき,

A:1点 B:1点 でAがコインを持っている
A:1点 B:1点 でBがコインを持っている
A:1点 B:0点 でAがコインを持っている
A:1点 B:0点 でBがコインを持っている
A:0点 B:1点 でAがコインを持っている
A:0点 B:1点 でBがコインを持っている
A:0点 B:0点 でAがコインを持っている
A:0点 B:0点 でBがコインを持っている


の8パターンの状況のいずれかになっています。
それぞれの確率を以下の表にあるように与えます~


r28_20130321184426.jpg


8個の数列が定義されたので,処理が面倒くさそうですね。
ただ,このうち A:0点 B:0点 となる場合というのは
ひたすらAとBが交互にコインを受け渡し続ける場合なので
遷移図は1通りに決定され,確率がすぐ求められますbenibara.gif

実質6個の数列に関して漸化式を立てて解いていきますよ~

r29_20130321184427.jpg
r30_20130321184452.jpg

まず3番4番の式を見てみると {c_n} と {d_n} しか出てこないので
この2式だけで c_n (と d_n ) の一般項は計算できてしまいますね。
だいぶ長くなってきたので漸化式を解く過程は省略しますねー
ちなみに,nの偶奇で分けてしまうと,あとはよくあるパターンの漸化式です。

r31.jpg

同様に,5番6番の式に注目すれば,e_n (と f_n ) の一般項は計算できます。

r32.jpg
r33.jpg


あとは1番2番の式を使って,b_n を消去しながら a_n を求めます~kaeru_en4.gif


r34.jpg
r35.jpg
r36.jpg


p(n)=(1/2)a_{n-1}+(1/2)c_{n-1} と書けるので
nの偶奇に気をつけて p(n) を計算すればおしまいです~s2_sum_sunflower.gif


r37.jpg
r38.jpg




今回はこの辺にして,次回は(2)をやっていきますよ~tankoro.gif








   
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タグ:東大 大学入試 数学 2013 確率 コイン投げ 数列

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